#1 益 春菜  物語
2008年 全日本モトクロス選手権レディスクラスチャンピオン


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Author:crew OHG
★当ブログは益春菜選手が執筆/管理しているものではありません

益 春菜選手の活躍を様々な角度から紹介させていただきたいと思っております
更新は断片的、不定期となります
掲載画像、本文等の無断転載はお断りいたします
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2008.12.30  益 春菜/栄光への軌跡 【4】 ”最後のサイン” <<19:30


2008122015010001.jpg081221_0947~01【画像提供/鈴木沙耶・益 春菜】

今年は、かつて経験のない、多忙なオフとなった。
しかし、春菜は、その忙しさも楽しくこなしながら日々を過ごす。
テレビ番組(TBS金スマ)の収録、スポンサーへの挨拶まわり、ほぼ毎週のように開催されたイベント、パーティーや表彰式にも招かれた。
その間にもトレーニングは欠かさないが、どうにか体調は崩さないまま年の瀬を迎えることができた。

最後の練習を終え、モトロマンに戻ってからレースショップの片付けと整理をしていたら、今季使用していたデカールセットが残っていた。

最後のサイン003

「ゼッケン2かァ。私はやっぱりコレが似合ってたかな…(笑)」と、落書き?を始めたのだった。

No.10 / モトクロス / Comment*0 / TB*0 // PageTop▲

2008.12.30  管理人より プレゼント当選のお知らせ <<16:40


当選001
いつもアクセスいただきありがとうございます。
前回、ご案内いたしましたプレゼントのお知らせです。

アクセス”01867”をゲットされました、しゅん様(宮城県・24歳・男性)からお便りいただきました。

しゅん様には、春菜選手からプレゼントをお贈りいたします。

春菜選手からのコメント
『応援いただきありがとうございます。
ラッキーナンバー?ということで、おめでとうございます(笑)。
管理人さんから言われたのが急でしたので、何もご用意できませんが、
お世話になってる書道の先生にいただいた色紙に、私のサインを加えさせていただきました。
ちょっぴりレア??な写真も貼ってますので、記念にどうぞ。
しゅん様、みなさま、よいお年をお迎えください』
                              08、12,30   春菜       


発送は、1月5日以降となりますのでご了承ください。 crew OHG


No.9 / モトクロス / Comment*0 / TB*0 // PageTop▲

2008.12.27  管理人よりプレゼントのお知らせ <<07:30


プレゼント

開設以来ほんの数日ですが、春菜選手自身のブログダーヌポさんの紹介掲載により
多くのアクセスをいただき、ありがとうございます。

当初、「まだまだ先のこと」と思い、公表はしてなかったのですが、
急遽、プレゼントのお知らせです。

☆アクセスカウンター01867番をゲットされた方、
春菜選手の直筆サインをお送りいたします。

・ゲットされた方は管理人までメールにてお知らせください。
 mxharuna☆yahoo.co.jp(☆→@に変換してください)
・必ずアクセスカウンターの写メ画像を添付ください。
 画像がない場合、無効とさせていただきます。

まさか、こんなに早くカウンター数が上がると予想していなかったもので、
実はまだ何も準備しておりません。
開設当初、「01867番をファンの方が当てたら、春菜選手のサインかなんかプレゼントせなあかんのんちゃうん?」と漠然と考えていましたが、
さきほどカウンターを見たら1300でしたので慌てて告知…とさせていただきました。

携帯からアクセスの方はカウンターが表示されないかもしれませんので、申し訳ございませんがご了承願います。

                              crew OHG



No.8 / モトクロス / Comment*0 / TB*0 // PageTop▲

2008.12.27  益 春菜/栄光への軌跡 【3】 ”応援バナー” <<01:11


この日、TKはノリにのっていた。
ランキングトップの平田優が直前の負傷により欠場となり、
タイトル奪取への意欲が全身から溢れんばかりの激走をみせた。
響け天まで001
IA2ヒート1、トップでフィニッシュすると、その場にヘタリこんでしまう。
「ハァハァ」と激しい息使い。全力を果たした姿がそこにはあった。
響け天まで003
TKは、春菜の元チームメイトであり、続くヒート2でもアグレッシブにトップを走っていた。
IA2ヒート2はレディス決勝の直前に開催された。
落ち着かない心境の中、春菜にとっては他のレースなんか、今はどうでもいい。
TKは、このヒート2も制覇しピンピンを決めた。
ヒート1同様、フィニッシュ直後は転がり落ちるようにマシンを降り、メカニックに託した。
やはり全力を使い切っていた。
フラフラとさ迷うような足取りで、コースサイドの盛り土に一寸でも座ろうと歩んだ。
響け天まで002
2ヒート完全制覇達成の喜びを噛み締め、極限の疲労をほんの少しでも癒そうと座り込んだ盛り土。
スタートから1コーナーに向かうストレートのアウト側。

偶然にも、そこは春菜への応援バナーが掲げられている所だった。


響け天まで004
TKこと勝谷武史。
神奈川県出身でキッズ時代から増田一将らと将来を有望視され、オーストラリアで活躍。
99年にIA125チャンピオンを獲得し、KRT~HRCのワークスを経てセキレーシングモトロマンに2シーズン在籍した。
春菜が、まだKXに乗っていた03年頃。その日の路面は雨で最悪なコンディション。深いワダチでフィニッシュライン手前には1本しか通過できるラインがなかった。ちょうど、全日本の事前練習ということもあり、多くのIAライダーも走行していたが、その中、ヨタヨタしながらも春菜は懸命に走っていた。「絶対に停まっちゃいけない」そのラインで転んでしまう春菜。後続のトップライダー達は大渋滞。そんな中「大丈夫か?」と優しく声をかけてくれたのが、当時KRTに所属していた勝谷だった。春菜は「ワークスの人にまで迷惑かけちゃってサイアク。邪魔してすいません」と謝り、小さくなりながらもササッと脱出して再スタート。「速くて優しくてカッコイイナァ」と思いながら走行していたものの、次の周にまた同じ所で転んでしまう。こんどは勝谷は後ろで停まって待ってくれていた。ラインをふさがれて待ちきれず、通過しようとした他の某IAライダーは沼にハマッてスタックしてしまった。春菜一人が原因で大混乱させたものの、本人はちゃっかり抜け出して走り去ったのだった。
その後、挨拶を交わすようになり、父を交えて何かと話す機会も増えていくのだが、勝谷との最初の出会いも、ココ、名阪スポーツランドだった。

春菜はTKがパーフェクトを達成した直後のレースで初のタイトルを決め、TKは次戦広島以降も快勝をみせ自身2度目のIA2チャンピオンに輝くこととなった。

響け天まで005
幸運の応援バナーを作ってくれた、父の妹”明美ねーさん”と。

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2008.12.24  益 春菜/栄光への軌跡 【2】 ”チキンハート” <<00:00


決勝当日の朝。
そこにはピリピリと貼り詰めた空気だけが漂っていた。
チキンハート001
公式練習出走を控え、春菜はいつも通り早めに着替えを済ませていた。
チームスタッフの誰もが近づかなかった。
佐藤健二監督を始めスタッフは百戦錬磨、国内屈指の名門チームである。
これから、今、まさに栄光を掴もうとしているライダーに無用なプレッシャーなどかけるわけがない。
他のクラスに出走するチーム員たちが飲み干した空ペット、脱ぎ散らかされたウエア。
いつもなら、キレイ好きな春菜は片付けたかもしれないが、この時はそんなもの視界に無かった。

春菜は、一人で座り、静かに目を閉じた…。
五感に染み込んだCRFの挙動をイメージし、路面の感触と合わせていく。
「あのコーナーは…、あのジャンプの飛び出しは…」と正確にラインを目蓋に描く。

第8戦名阪ラウンドは、事前に「ほぼタイトル確定」とされていた。
レディスクラス新設以来、8年間女王の座に君臨した鈴木沙耶選手は、
ポイントで追い詰められ、この大会を含め残り3戦全勝以外にタイトル防衛の望みはなかった。
春菜にとっては、これ以上ない楽な展開である。
春菜の順位がどうであれ、沙耶選手が優勝を逃せばチャンピオン決定なのだった。
土曜の予選から、ライディングそのものにも特に問題はなかった。
マシン、コース攻略についても同様に。
なにもかも問題なくスムーズに時間が迫ってくる。
楽観的な見方をすれば、今日、沙耶選手に1位をもっていかれたとしても、まだ広島とSUGOがある。
「ぜんぜん平気じゃん!」と開き直れる気持ちのゆとりも微かながらあったかもしれないが、今はとてもそんな気になれなかった。

生まれて初めての『全日本チャンピオン』が、午後には手に入る。
「ついに今日、私のものになるんだ。日本一なんだ、カッコイイじゃん。やっとハルナ日本一なんだよ!?、えっ、ほんと?…。夢なんかじゃないよね?。ハルナ、チャンピオンだよ!もうすぐハルナが、やっとチャンピオンになれるんだ」そんな喜びというか、生涯で一瞬だけ、たった今だけしか味わうことのできない瞑想を楽しもうとした。一生懸命に楽しもうと努力した。

しかし、現実は楽しむどころか、できることなら逃げ出したい気持ちだった。

チキンハート002
シーズン中盤、猛暑のレースを連勝で制し、リザルト的には好調をキープしていたが、精神的には追い詰められていた。「藤沢くらいから、プレッシャーばかりが重くなって」と、練習どころか、食事すら満足に摂れない状態の日もあった。考えても意味のない事ばかりが春菜に重くのしかかった。

武者震いなのか、不安なのか、揺れる気持ちを押さえてコースイン。
チキンハート004
まだギャップのないコースを、春菜は自分なりに攻め込んだ。
緊張からのウデアガリもあったが、走っている最中は余計な事は考えなかった。
チキンハート005

公式練習を走り終えると、どうしたことか急に涙が止まらなくなった。
決して調子は悪くなかった。
冷静に走れたし、タイムも悪くない。

まずまずイケる感じだっただけに、タイトルが確実に近づいた。
よけいにプレッシャーが大きくなった。

「バッカじゃないの、なに泣いてんだよ」と笑ってみた。
一生懸命自分に言い聞かせてみたが、涙は止まらない。
FB001.jpg
FB002.jpg
FB003.jpg
幼少の頃からのイロイロあったこと、良い思い出も辛い思い出も、何もかもが突然にフラッシュバックし始めた。
「ものすごい速さでビデオの早送りみたいに『場面』だけが浮かんできて…なんでなの?と思ってもどんどん出てきて。もうどうにもならなくて」と、映画のワンシーンに引きずり込まれてしまったような感じだった。
FB004.jpg
FB005.jpg
FB006.jpg
ヘルメットを脱いだ春菜は、汗をぬぐうフリをしてタオルで顔を覆うのが精一杯だった。

パドックでは、いつになく多くの声援が寄せられた。
祖父を始め親戚一同が沖縄から応援に駆けつけた。
ライダー仲間からも「いよいよだね。頑張って」と声をかけられる。
誰もが「気楽にいけばいいんだよ」と。
ファンの声援に笑顔で応えながらも「気楽にって。そんなこと、わかってるって。でも…はぁ、ダメだ」と落ち着かない。

最も身近にいる母は、毎度の事ながら「水は飲んだ?」と何回も繰り返す。
「いいよ、ちゃんと飲んでるよ!いいから静かにしててよ」と春菜。
さらに「もっとリラックス、リラックス」とダメ押しされ、「ったくもう(怒)ほんとウザイんだから!集中できないじゃん」と、コントのようなやりとりが続く。
「こんな大事な時になって『リラックスしろ』なんて言われたらよけい固くなっちゃうし。ぜんぜんわかってないんだから」と言いながらも母親の気持ちも理解できないわけではない。「まあ、母さんはいつものことだから。チームの人は笑ってるし(笑)」と、スタート時刻が近づくにつれ、さすがにプレッシャーは頂点に達した。

ところが、春菜の中で小さな異変が起こった。
この日の春菜は、スタート直前、既にチャンピオンとしての『心』が産まれていた。
ウエイティングエリアで待機する頃には「1位になって決めてやるんだ!」と自然に思うようになっていたのだった。
チキンハート003
決して、気丈にプレッシャーを弾き飛ばしたわけではない。
気持ちの99%以上は不安の塊だった。
しかし、正々堂々、プレッシャーに挑んだ末「絶対に勝ってやる。1位しかないんだ」という結論を出した。
「だって、もし私が4~5位とか中途半端な順位で、もし沙耶ちゃんに何かあって沙耶ちゃんが1位じゃなくて…そんなので『チャンピオン決定』なんてカッコワルイ!。絶対イヤだ」と。

今季は、己にそう言い聞かせることができるまでに成長していたのだった。

そして「お姉ちゃん、しっかり見ててよね」と、静かにつぶやきながらスタートを待った。


No.4 / モトクロス / Comment*0 / TB*1 // PageTop▲

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